富士山に設置されている三角点

2022/04/14

富士山の雑学 富士山の名所

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三角点とは測量の際に使う重要な標識で、もちろん富士山にも三角点が設置されていています。なかでも富士山火口の南東部に位置し、最高峰である「剣ヶ峰」に設置されている三角点は有名ですね。そして、剣ヶ峰には電子基準点という衛星を利用し連続観測してデーターを収集する基準点も設置されています。また、富士山の山頂部にはその他にも、火口北側に位置する峰の「白山岳」にも三角点が設置されています。

富士山 剣ヶ峰の三角点と説明板

こちらが剣ヶ峰に設置されている二等三角点です。写真内の青○の中にある御影石の石柱が三角点で、手前の黒い石板には三角点の説明が記載されています。

石板の説明を抜粋すると、この標石は「三角点」といい、地球上の位置が正確に求められています。三角点は、地図作りやいろいろな測量の基準として利用され、大変重要な役割を果たしています。平成14年4月1日から三角点の位置を示す基準が変わり、緯度経度の値が変わりました。というようなことが刻印されていました。そして文末にはデータとして、北緯35度21分38.261秒 東経138度43分38.515秒 標高3775.63m という値が記載されていました。

富士山 剣ヶ峰の三角点

こちらが、三角点の石柱を近くで撮影した写真です。三角点は4つの保護石に囲まれ、周囲をコンクリートで保護されていました。ちなみに基準点名は、もちろん「富士山」です。ただし、この三角点の位置が最高地点ではなく、ここより少し北側(約10m)に位置する岩の頂点が富士山の最高地点で3776.12mとなっています。

富士山 剣ヶ峰の電子基準点

こちらが電子基準点で、「日本最高峰富士山剣峰の碑」から数m北側に設置されています。そして、この電子基準点は2002年に設置された基準点です。外観は、柱の上にドーム型のカバーに覆われた計測機器が格納された姿をしています。柱の部分の高さはおよそ3mあり、電子基準点の標高は3777.41mになります。

そして富士山の山頂部に設置されているもう一つの三角点は、火口北側に位置する峰である「白山岳」へ1926年に選点された二等三角点です。基準点名は「富士白山」で、標高は3756.23mとなっています。この三角点は1926年に富士山の標高を測る際に使われました。

その方法とは、東京都千代田区永田町にある日本水準原点から基準値を延伸していき、富士山の麓にある2つの三角点「龍ヶ馬場」「高丸尾」の標高を求め、その2方向から二等三角点「富士白山」の標高を三角測量により3756.8mと求めました。その数値をもとに、剣ヶ峰にある三角点「富士山」の標高を求めました。

ちなみに富士山の山頂部に三角点が2つ設置されているのは、山頂の中心部には大きな火口があり、最高峰の剣ヶ峰の三角点だけでは、反対側の山麓からは観測できないのが理由です。また、なぜ日本最高峰にある三角点が一等三角点ではないのかというと、一等三角測量を行う際に富士山は独立峰のため周囲に同じくらいの高さの山が無く、測量点間の標高差が大きくなり測量結果の誤差が大きくなる事から一等三角点の設置は行われなかったそうです。


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