全国各地に「幕岩」とよばれる場所がありますが、溶岩でできた岩壁はおそらく富士山麓にあるこの幕岩だけだろうと思います。
さらに面白い事に、この溶岩でできた岩壁部分と沢部分は溶岩の質感が少し違い、よく見ると層が出来ています。同じマグマだまりから流出した溶岩で双方とも玄武岩なのですが、中央の滝状に見えている岩壁の溶岩は黒っぽくて、沢にある川状に流れた溶岩は灰色っぽさが強く出ています。おそらく溶岩の固まる時間によって質感が変わったのではないかと推測します。
この神秘的な自然の力を見る事のできる場所は、きっと山岳信仰の修験者たちも強い自然の力を感じたのでしょう。だからこそ、この場所を修験道の行場として選んだのではないかと思います。
ちなみに車でのアクセスの際は、水ヶ塚公園の駐車場か御殿場口新五合目の駐車場を利用すると便利です。