いくつかの書籍やウェブにて、ブルーベリーの栽培に「スリット鉢」という植木鉢を使って育てると根の生育が良くなるという情報を見つけました。「スリット鉢」というのは、植木鉢の側面にスリット(切れ込み)が入っていて排水性と通気性が良くなるように工夫された植木鉢のことで、その他にも色々な機能が盛り込まれた品物もありました。
ブルーベリーでは、用土内の通気性の向上がおもな目的だと思われます。その他のメリットとしては、用土と植木鉢の間に残存する停滞水をスリット状の切れ込みにより早期に排水する事により、ピートモスなどの有機質資材が水気を含む期間を短くすることで朽ちてヘドロ化するのを遅らせ、用土の耐久性の向上が期待できるのかなと考えました。
「スリット鉢」の効果のひとつである植物の根が鉢の中で壁面をグルグル周りながら成長する現象(根のサークリング)を抑えられるというのがありますが、ブルーベリーの根は繊細な細根タイプなのでサークリングは他の植物に比べ強くないと感じます。
ということで、まずは試しに格安(約100円)で購入したプラスティック製の鉢を加工して簡易なスリット鉢を自作してみました。
用意したものは「プラスティック鉢」「鉢底ネット」「金ノコ」「カッター」「ドリル」です。 「鉢底ネット」は、通常の植木鉢と同様に鉢底穴に被せる用途として使います。「金ノコ」は、プラスティック鉢にスリット状の切れ込みを入れるのに使います。「カッター」と「ドリル」は、後述の小加工の際に使います。
さっそく、プラスティック鉢を金ノコでスリット状に切っていきますが、スリットの数や長さは水やりの頻度や用土の種類によって適宜調整してください。また、この加工のポイントはスリットの端部からの割れを防ぐため、切れ込みの始点と終点を予めドリルで丸く穴をあけてから金ノコで切れ込みを入れるのがポイントです。
では、完成した自作のスリット鉢にブルーベリーを植えてみます。通常の植木鉢と同様に、鉢底にネットを敷き鉢底石の代りに大粒の鹿沼土を4~5cmほど入れ、その上にブルーベリー用に配合した用土を入れブルーベリーを植えます。今回の用土は、ピートモス100%の用土よりも水やり時の吸水性(水なじみ)を良くするため、硬質鹿沼土を混ぜて「ピートモス 7、鹿沼土3」としました。