6月に入り「アリウム」の花は、咲き終わりの時期になりましたね。わたしは、アリウムの花後に地上部が枯れてから、球根を堀上て地上で保管し翌年以降に植えなおすようにしています。ちなみに、掘り起こさず球根を植えっぱなしにする方法も試したことがあるのですが、育てていた場所の水はけが良くなかった為か、球根が腐ってしまい失敗してしまいました。
掘り起こしておく手順や保管方法などは、一般的なチューリップと同じなのですが、アリウムはチューリップとは違い球根を大きく残すことが難しく、たいてい掘り起こす前に腐ってしまったり分球し過ぎて小さくなってしまう事が多かったのです。
そこで、今回は花が終わってから球根を掘り上げるまでに、4つの違う処理手順を比較して球根の生育に違いが出るのか試してみました。
- 花の色が薄くなる花期終盤に、球根を掘り起こす(まだ花が残っている)。
- 花の付いていた軸を株元で切り、葉が枯れてから球根を掘り起こす(花後に軸を残さない)。
- 花の付いていた軸を花元で切り、葉が枯れてから球根を掘り起こす(花後に軸を残す)。
- 何もせずに種を実らせた後に、球根を掘り起こす(種を実らせる)。
以上の4つの方法を試して結果を見てみたいと思います。
1.花の色が薄くなる花期終盤に、球根を掘り起こす。
2020/06/08:花色が薄くなったので、①の球根を掘り起こす作業をしました。
葉っぱの緑色はだいぶ薄れてきていますが、葉先と花の軸に緑色が残っていました。
花は色が薄くなり小さな種の元が出来ていました。もう少し早く掘り上げても良かったかもしれませんね。
球根部はだいぶ充実してきていますが、まだ球根底部に丸みが少ないので、まだ球根の大きさに成長のキャパシティーはあったかと思います。
軽く水洗いした球根底部の根の状況です。根の8~9割は枯れて茶色くなり機能していないので、このまま植えていたとしても球根の成長はわずかだっだかもしれません。それより、枯れた根からの腐敗のリスクが上がりそうな気がしました。
この球根については、乾燥後に球根の外皮をはがしてからサイズを測ってみます。
2.花の付いていた軸を株元で切り、葉が枯れてから球根を掘り起こす。
2020/06/17:葉が枯れたので②の株を掘り起こしました。
①の株と比較して、大きさに差はありませんでした。
翌日、だいぶ乾燥していたので外皮をはがし球根の大きさを計測。球根のサイズは4cm(球根幅)×5.5cm(高さ)。分球は全くなく1つの球根でした。
3.花の付いていた軸を花元で切り、葉が枯れてから球根を掘り起こす。
2020/06/30:③の株を、茎の緑色が無くなったので掘り起こしました。
①や②の株と比べても球根の大きさに大差はありませんが、根が完全に枯れて白いカビが少し見られました。
表面の泥を洗ってみると、心配していたカビは中まで進行していなくて一安心です。
中の球根もこのとおりキレイです。サイズは4cm(球根幅)×6cm(高さ)でした。
4.何もせずに種を実らせた後に、球根を掘り起こす。
2020/07/05:種が収穫できたので、④の球根を掘り起こしました。
花後の穂先には小さな実が出来ていました。種が入る部屋が3つあるように見えるのですが、実を割って開いてみたところ、ほぼ全てが1つしか種が入っていませんでした。中に入っていた種は、大きさや色、形状はニラの種にそっくりです。球根については、今まで掘り上げた中で一番小さいです。3.5cm(球根幅)×5cm(高さ)でした。
結局のところ。
結局のところ①~④の方法のどれも大差はありませんでしたが、④の方法「何もせずに種を収穫した後に、球根を掘り起こす。」は、土壌の水はけが悪いなどの条件によっては球根が腐ってしまう可能性が大きいと思います。
そして、 球根が一番大きかったのは、わずかな差でしたが③の方法「花の付いていた軸を花元で切り、葉が枯れてから球根を掘り起こす(花後に軸を残す)。」でした。今回の実験の4つの株は同じ場所に植えていたので条件に大きな差はありませんが、たった一回の実験結果なので参考程度と思ってくださいね。
最後に、「①の球根」についです。
球根を乾燥させ外皮を剥がしてサイズを計測したところ、およそ4cm(球根幅)×5cm(高さ)でした。小さな分球が1つありましたが、大きく分球しなくて良かったです。この小さな球根も植えたら芽が出るのか興味がありますね。