【富士山五合目】小御岳道という信仰の道

2021/05/31

富士山にまつわる名所

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富士山の吉田口五合目にある「小御嶽神社」から東南方向に位置する佐藤小屋付近まで、ほぼ水平に延びる1.5kmほどの登山道があります。この道には「小御岳道(こみたけみち)」という名前が付けられ、富士山信仰において重要な意味をもった道でした。現在は残念ながら「信仰の道」の名残はほとんど残っていません。馬返しから登ってくる吉田口登山道と、この道との分岐点に「小御岳道」の説明が書いてあるモニュメントが設置されているだけでした。またこの道は「横吹(よこぶき)」とも呼ばれます。

モニュメントに貼られた解説板の文字が消えかけていたので以下に抜粋転記します。

ここには、かつて鳥居が建っており、小御岳社までの間に6基の鳥居があったとされています。この付近は木山(きやま)と焼山(やけやま)の境で信仰的に重要な場所であったため、かつては遥拝所(ようはいじょ)があり、頂上まで登山のできない者は、このあたりで富士山の頂上を拝んだとされています。

解説文中の「木山」と「焼山」という言葉は、富士山の標高ごとにエリア分けし、植生に因んで「草山・木山・焼山」というように、3つに区分けし古くから使われていた呼び方だと分かりました。中ノ茶屋あたりから馬返しまでが「草山」にあたり、そこからは「木山」と呼ばれ五合目あたりからの森林限界をこえ溶岩地形になるエリアが「焼山」と呼ばれていました。

また少々気になったのが、文中後半の “頂上まで登山のできない者は” という所です。これって女人禁制のため登れない女性のことを表しているのかと思ったら違うようですね。女人禁制の時代は2合目までしか登ることが許されず、現在の吉田口登山道の2合目を過ぎたあたりに「富士山遥拝所女人天上」という場所が遺っています。


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