今回は、一部のひとしか興味を持たないようなお話ということで「石積み」と「石垣」について書いていこうと思います。この「石積み(名詞として使った場合)」と「石垣」という2つの言葉は、どちらも石を積んだ構造物の事をさしますが、今まで意味の違いや使い分けについて小さな疑問を持ちつつも曖昧に「石垣」や「石積み」という言葉を使っていました。今回は、その辺を調べてみて分かった事や石材に詳しい方のお話などをまとめてみました。
石材を積み重ねた構造物はすべて「石積み」という言葉で表現して問題がないようで、その「石積み」という言葉を細分化した中に「石垣」という言葉があるようです。ようするに「石垣」は「石積み」の種類のひとつという事ですね。そして「石垣」というのは垣根という言葉があるように、何かと何かの区域分けに利用したり境界を表すために積まれた「石積み」に対して使う事が多いようです。ただし、庭園の花壇や植栽エリアの区域分けに使われる「石積み」でも小規模な物は「石垣」と呼ぶ事は少ないようです。
余談ですが、「石垣」というと一番にお城の「石垣」が思い浮かび、石工職人さんが加工した石材を整然と積み上げた擁壁というイメージが強いですが、無加工の自然石で積み上げられた石垣も全国に数多くあるそうですよ。
どうやら、石材の種類や石の加工の有無など含め積み方はあまり関係が無く、その構造物の用途によって呼び方が変わるようですね。そして日ごろから石材を扱うことが多い造園業界では「石積み」という言葉を使っている方が多いと感じますね。
ということで、今回いろいろ調べてみたところの結末としては、「お城の石垣」のほか「○○の石垣」など固有名詞として使われている以外は、「石積み」という言葉を使っておくのが無難なのではないかと感じました。