夏が終わりブルーベリーの収穫や夏剪定が終わり、水管理のあわただしさも落ち着いたこのごろです。そして、先日は初秋らしい涼しい雨が降りブルーベリーにとって「秋の雨」は根の成長につながるのでありがたいです。でも、同じ雨でも収穫期の雨はブルーベリーに「実割れ」を起こさせるので歓迎できませんよね。
ブルーベリーの「実割れ」って、ほんとにガッカリするので何か予防策は無いのか、文献を調べたり果樹農家さんに聞いてみたりして学んだことを整理しました。
やはり「実割れ」が起こる原因は、どうしても梅雨時など雨が続くと土壌の水分が多くなりがちとなり、結果的に果実にまわる水分量が多くなるため「果実の果皮」の成長速度を「果実の果肉」の膨潤量が上回った時に、表皮が裂けて「実割れ」してしまうという事が分かりました。「実割れ」に至らなくても、水分が過多の実は食べてみると味が薄いと感じるそうで、これは私も実感しています。
「実割れ」した果実の「裂果」は使えませんが、「裂果」でない水分が多いだけの果実ならば、摘み取って生で食べるよりジャムなどに加工する方が風味を活かせます。水分過多のブルーベリーにおすすめなのは、冷凍庫で半凍結してシャーベットにして食べるというのも、暑い季節には良いようです。
今のところ「実割れ」を完全に防ぐには、ハウス栽培にして水分供給を完全にコントロールするしかないようですが、大規模なブルーベリー園でもなければ難しいと思います。趣味の範囲で可能な「実割れ」のリスク低減策としては以下のような事くらいと思います。
- 植木鉢栽培ならば、鉢の下にレンガなどを敷いて排水性を向上させる。
- 植木鉢やコンテナなど移動可能な鉢栽培は、雨の当たらないところへ移動する。
- 地植えならば、長雨前に透湿性のある防草シートなどで地表を覆い雨水の土壌浸透を制限する。
何も対策しないよりは効果が期待できると思います。あと、個人的には品種によっても「実割れ」の頻度が違うと感じてますよ。もしかして糖度の違いにより高糖度の果肉は保水しやすいのかとも考えましたが、たぶん果皮の割れやすさが品種により違うという事の方が影響していそうですし、またはその両方の影響があるのかもしれません。未だにブルーベリーは分からないことが多くて、もっと勉強していかなくてはと感じています。