刈り取って乾燥させた「稲わら」を完熟発酵させずに、そのまま細かく刻み畑へすき込んでみました。
「稲わら」を畑にスキ込んだときの効果は、まず「稲わら」は有機質繊維のため、土に繊維質が混ざる事により空気層がつくられ柔らかくなります。また、有機質の投入により微生物やミミズなどの有益生物が活発になり、徐々に作物にとって良い土壌環境へと改善していきます。そして、土が徐々に団粒構造となり保肥力が向上し、肥料成分の持続力が高まる効果も期待できます。
ただし、少しだけ注意しなければいけない事があり、作付けの直前には施さない事です。未成熟の有機質繊維は、発酵によりメタンガスや硫化水素などの発酵ガスが発生して、それにより作物の根腐れ等の生育障害を起こすからです。そのため、今後しばらく休ませる畑に秋にすき込むのが良いでしょう。
そのほか、発酵しきれなかった残渣のさらなる発酵による発酵熱で根っこにダメージや成長抑制などが加わり、根菜類の場合では収穫物に割れや変形を起こすので「大根、ニンジン、ごぼう」などの作付け予定地に施すのであれば、別の場所で完熟発酵させてからすき込んだ方がよいでしょう。