樹木にはたくさんの種類や分類がありますが、成長の特性について共通している事があります。それは、落葉樹と常緑樹など全く違うように感じる樹木でも、当てはまる特性だと今までたくさんの木々に接してきて思いました。
葉や枝が多いほど成長スピードが速い
樹木の栄養源を作る光合成を行っている「葉」は、多いほど良く成長します。枝数が多くなれば「葉」の数も多くなりますね。そんな葉の量を調整して成長スピードをコントロールしてあげるのも剪定の1つの目的なんです。
上方に向かって伸びる枝(徒長枝など)は勢いよく伸びる
樹木に限らず草花など植物全般に言えるかもしれませんが、横方向より上方向の方が成長力に勢いがあります。そんな上に向かって強く伸びる枝の代表格、徒長枝を放っておくとすぐに樹形が乱れるため剪定で取り除いてあげる事が樹木の美しい姿を保つために必要です。
複数に枝分かれした枝は中心の枝が伸びる傾向が大きい。
例えば三つ又に枝分かれしていたら、真ん中の枝がグングン伸びていき脇の枝はあまり成長できず樹形が崩れてしまう事が多いですね。
「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という特徴
上の特徴と少し共通する所がありますが、成長において頂芽(枝の先端にある芽)の方が脇芽より優先されるという事です。これには植物ホルモンが関わっているようです。ちなみに、頂芽を切ってしまってもその下の脇芽が頂芽としての役割を引き継ぐことになるので、ほとんどの樹木では頂芽を切ったからといって枯れてしまう事はとても稀なことですね。
太陽に向かって成長する
これは皆さん日ごろ実感していると思います。樹木は光合成で栄養を作るために、より効率よく葉に光を当てるため太陽の方へ伸びます植物の本能でしょうね。そのため基本的に南側が成長し樹形を乱しますので剪定によって整えてあげます。
以上のような特性を考えて、樹木が大きくなり過ぎないように成長を管理したり、密生した枝葉を整理して日照や風通しを確保し病害虫予防をするのが剪定の目的ですね。もちろん樹形を美しく保つ事も大事な目的のひとつです。