街の中や公園などいろいろな場所に使われているレンガですが、よく見てみるとレンガの「敷き方のパターン」や「積み方のパターン」には色々な種類がある事に気付くと思います。そこで、今回はレンガの配置パターンについて一般的によく使われているなと思う種類を、私見と記憶の中の経験をもとに小話を書いています。
レンガの敷き方パターン
ジャック・オン・ジャック
日本では通称「イモ」と呼ばれる並べ方です。単調でシンプルなデザインで施工がしやすいのが特徴ですが、レンガの目地が全て十字に通ってしまうので、強度的に弱い並べ方となってしまいます。そのためレンガ単独での施工では重さのかかる床面には向いていないのが弱点です。
ランニング・ボンド
日本では通称「馬踏み」と呼ばれることが多いです。一番よく見かける敷き方のパターンで、公園やお庭などあらゆるところで採用されています。一列目と二列目のレンガを半分ずらし縦目地をずらす配置をしているので、先述した目地が全て通った「ジャック・オン・ジャック」より強度があります。
バスケット・ウィーブ
日本では通称「市松」と呼ばれることが多いです。レンガ2個を並べたものを1組の正方形として、隣の組と目地を90度ずらし、まるで籠を編んだようなデザインで配置する並べ方です。視覚的に「ランニング・ボンド」に比べて広がりがあるように見える敷き方です。
バスケット・ウィーブ・ハーフ
上記の「バスケット・ウィーブ」のアレンジバージョンです。横並びレンガ2個組の横に縦1個加えたセットを1組として、籠編みのように並べて作られるパターンです。一組あたりの面積が広いので、少々広いスペースへの施工でないと、バスケット柄(籠編模様)に見えなくなってしまいます。
ピンホイール
半分に切ったレンガを4つのレンガで囲むようにレイアウトします。真ん中の半升レンガの代わりにグランドカバーや違う石材を組入れたりするとアレンジが楽しめます。
ヘリンボーン
日本では通称「あじろ」と呼ばれています。レンガをL字に見えるように並べたレイアウトで、他の並べ方とくらべて横ズレに対する強度に優れています。難点としては施工時に手間がかかる事と、美しく仕上げるには少々技術が必要なことです。しっかりと水糸(ガイドライオン)を張り、それを目安にレンガを並べて行かないと、いつのまにか全体的な仕上がりラインが曲がってしまいます。
おすすめは
私の個人的な好みとしては、通路や庭のアプローチなどはやはりランニング・ボンドですね。シンプルで飽きの来ないデザインと、ある程度の強度があるため歩行用のアプローチ程度であればセメントを使わなくても施工が可能なため、飽きた際のレイアウト変更が可能な点が良いですね。
テラスなど広い空間はバスケット・ウィーブ系がオシャレだと思います。ヘリンボーンは強度的にはおススメできますが、きれいに配置するにはコツが必要です。仕上がりは堅い感じのデザインになるので、植えるお花などで調和を取るなど工夫するのも楽しいかもしれませんね。
レンガの積み方パターン
レンガが整然と積み上げて築かれた壁ってアンティーク風でおしゃれですよね。そんな街中などでも見かけるレンガの壁の多くは、次のような積み方がよく見かけるパターンではないでしょうか。
長手積み
この長手積みは、よく見かける目地を互い違いにして積むレンガの積み方です。ある程度の強度があり、使うレンガの数があらかじめ検討が付けやすいのでDIYで花壇をつくるなどにおススメの積み方ですね。長手方向には強度がありますが短手方向の力には弱いので、この積み方単独で高く積むような用途には向きません。
小口積み
こちらも長手積みのように目地を互い違いに積む方法ですが、小口が表に出る形で積んでいきます。 仕上がりがレンガの小口面がビッシリと並ぶので、重厚な印象となり少々窮屈な見ためとなるのが特徴です。
イギリス積み
こちらは図のように「長手積み」と「小口積み」を1段ごとに交互に変えて積んでいきます。強度もありデザインもよく、無駄になるレンガが少なくトータルバランスのとれた積み方です。
フランス積み
この積み方はフランスと名称がついていますが、なんとオランダ地方に多い積み方なんだそうです。 図のように長手と小口をリズミカルに組み合わせ積んでいきます。見た目が美しいですがとても手間がかかります。
その他
以上がレンガの積み方パターンでしたが、この他にレンガ1つを積む時の配置方向にも呼び方がありますので参考までに少し掲載します。
- ストレッチャ:レンガの一番広い面(平)どうしを長く積んでいく方向。
- ブルストレッチャ:レンガの細長い面(長手)どうしを積んでいく方向。
- ヘッダ:レンガの一番狭い面(小口)を見せるように積んでいく方向。
というように、レンガの積み方っていろいろと奥が深いですよね。まあ、小さな花壇のように強度を必要としないような場合は、デザインや個人の好みで積んでいった方が構造物的な堅苦しさが薄れて、おもむきのあるお庭になると思います。