畑で路地栽培として育てていた「大玉トマト」の実に、変色をともなった変形が起きてしまいました。ここまで特にアクシデントが無く順調に育っていただけに残念です。
このように、まだ緑色で熟していない状態の実にデコボコと「えくぼ」のような窪みと、そこに茶色い変色が見られるのです。実の大きさに関しても、これ以上に成長せず止まってしまっているように感じました。
実の中がどのようになっているのか、変形した実を切断して中を見てみました。まだ未熟果なのに空洞が出来ていますし、実の中でも種の周りの一部に潰瘍のような所も見られ茶色く変色してる部分もありました。
症状のひどい所を拡大するとこんな感じです。最初は虫による被害かとも思いましたが、果実内に害虫の姿やフンなど痕跡を確認できず食害の痕も見つかりません。
実の外皮をみても虫の侵入孔が見あたらなかったので、おそらく何らかの病気になっているのか成長障害のどちらかだろうと判断しました。
結局、野菜関連の書籍で病気などの写真などと見比べてたところ、実の変形の仕方や葉の変色傾向から「キュウリモザイク ウイルス」というのと症状がとても似ているのです。「キュウリモザイク ウイルス」というのは、トマトを含め多くの野菜類や花き類に感染するウイルスによる感染症だそうです。
ただし、あくまで可能性が高いという事しか言えず断定はできない事も分かりました。なぜかと言うと、トマトのウイルス病はモザイク病をはじめたくさんの種類があるのと、数種類のウイルスの「複合感染」の可能性がある為、原因ウイルスを特定する事は困難なのです。
という事で、この株は残念ですが他の作物への感染拡大を防ぐため、抜根し焼却処分になりました。感染原因は、種子の段階からのキャリアやアブラムシによる伝染だそうで、防除はアブラムシを寄せ付けない事が一番ということ。もちろん、ハサミなど刃物や芽かき時の手の消毒も忘れずにおこなうことが、今のところ出来る予防策だと学びました。